事業内容

病気は発症してから莫大な治療費を使うより、事前に診断して予防する方が費用も家族の負担もはるかに少なくなります。何よりも、本人がずっと正常でいられます。だから、「発症前診断と予防的治療」なのです。一般に「発症してから治療する薬」の方が儲かります。しかし、これは私たちの方針ではありません。また、現在、日本を含む世界の製薬業界が誤った方向に向かいつつあります。兆単位のお金が無駄になる可能性が強いと考えられます。このままでは、10年以内に多くの製薬企業が倒産するでしょう。出来れば、私達は軌道修正に貢献したいと思います。言い換えれば、今、日本が世界に勝つチャンスです。アルツハイマー病克服に挑む多くの企業が私たちと提携することによって数百億円〜数千億円に相当する成果を上げることができるでしょう。以下、私たちの研究開発方針について解説します。

  1. 次世代型アルツハイマー病マウスモデルのライセンス契約:1995年以降に開発された第1世代アルツハイマー病マウスモデルは、APPを超過上発現するトランスジェニック(Tg)マウスであるために、本来の病理とは異なる様々の人工的表現型を示してきました。発症メカニズムの解明や行動薬理試験のツールとしては不適切でした。我々は、この問題を解決するために、アルツハイマー病研究を変える「次世代型アルツハイマー病モデル動物」を開発しました(Nat Neurosci, 2014)。現在、世界中のトップサイエンティストが使用しており、すぐにワールドスタンダードとなるであろうと予想されます。本業務では、製薬企業へのライセンス契約を行います。詳しくは、代表(saido@rikenbio.com)までお問い合わせください。アカデミアに対してもMTAの条件を大幅に緩和してアカデミックプライスでライセンス契約する準備をしています。現在、このマウスモデルは100近いトップサイエンティストに使われています。第一世代(旧世代)モデルを使った研究がトップジャーナルで発表されることなくなるでしょう。
  2. アルツハイマー病の遺伝子治療の臨床応用(自治医科大学村松慎一教授との共同開発):アルツハイマー病の原因物質アミロイドβペプチド(Aβ)を分解する酵素ネプリライシンを世界で初めて同定しました(Nat Med, 2000; Science, 2001)。次にネプリライシン発現ウィルスベクターをモデルマウスに脳内投与することによって遺伝子治療に成功しました(J. Neurosci., 2004)。さらに、末梢投与による遺伝子治療にも成功しました(Sci. Rep., 2013)。これらは全て世界初の成果であり、現在、その安全性と効果について高齢カニクイザルを用いて検討しています。ここまでは理研の成果で、ベンチャーは前臨床の解析・臨床試験以降の開発を行います。この遺伝子治療の長所は、内在性遺伝子を破壊せずに、10年以上ネプリライシンを脳内に発現させることができる点です。すなわち、一度治療を施せば、実質的に一生予防効果が持続すると期待されます。(株)遺伝子治療研究所と提携する予定です。なお、遺伝子治療に対して抵抗感のある人も多いと思いますが、若年性アルツハイマー病の原因遺伝子を持つ人を含む発症リスクの高い人たちにとっては、劇的な予防効果が期待されます。
  3. アルツハイマー病経口予防薬・抗疼痛薬の開発:我々は、神経ペプチドソマトスタチンが神経細胞のネプリライシンを活性化することを世界で初めて見いだしました(Nat Med, 2005)。ソマトスタチン受容体はGPCRであるため格好の低分子創薬標的ですが、5種類のサブタイプが存在し、どれが標的であるのかについてはまだ同定されていません。そこで、受容体サブタイプ欠損マウスを導入したところ、恐らく誰も予想しなかったであろうと思われる結果を得ました。ベンチャーはこれを完全同定し、受容体サブタイプ特異的作動薬を探索合成することによって、世界初の経口予防薬とします。また、ソマトスタチンは抗疼痛作用があることから、抗疼痛薬としても使用されることが期待されます。さらに、医食同源の言葉通り、食品やサプリメントによってアルツハイマー病のリスクを減少させることができると考えられます。この戦略は医薬品ほど儲かりません。しかし、人類に貢献します。業務提携を通じて医食同源による予防法の開発にも努めたいと思います。
  4. アルツハイマー病発症前体外診断薬の開発:我々は、国内特許・北米特許・欧州特許を有する次世代型アルツハイマー病モデルマウス(Nat Neurosci, 2014)を用いて、アルツハイマー病発症前診断のための血液バイオマーカーを検索しており、すでに有力な候補を見いだしました。ベンチャーはバイオマーカー候補を完全同定し、ELISA等の免疫化学的方法による定量法を確立します。現在まで血液バイオマーカーは特定されておらず、有力な発症前診断法はアミロイドPETですが、特殊な装置を要し、放射性物質を用いる上に、高価(約30万円)で、一日数名しか検査することができません。血液検査ははるかに簡便で、安価であるので、定期健康診断に組み入れることができます。なお、血中アミロイド(Aβ)を診断法の対象として定量法を開発しているグループ(島津製作所田中耕一氏ら)がありますが、血中Aβの大半は血管内皮細胞や血小板由来であり、アルツハイマー病の診断に使うことができないことは公知の事実です。
  5. アルツハイマー病研究開発(アルツハイマー病モデルマウスの使用法を含む)に関するコンサルティング:私たちは、世界のアルツハイマー病研究の先端を把握し、独自の将来展望を有します。さらに、次世代型アルツハイマー病マウスモデルは、独自に開発したものであり、長年の経験があります。また、解析技術も世界のトップレベルにあります。さらに、世界中に独自のネットワークを有します。製薬企業のみならず、投資家等に対してもコンサルティングを行い、業務提携の拡大を図るとともに、将来の増資に備えます。
  6. アルツハイマー病モデル霊長類(マーモセット)の作製と応用:実験動物中央研究所・慶応大学と連携する予定です。現在、霊長類のアルツハイマー病モデルは存在しません。マウスに比べて飼育コストが非常に高いので、発症機構の解明のために用いるのは難しいと思います。しかし、マーモセットはマウスに比べると認知能力や薬物代謝がヒトに近いという長所があります。ヒトに対する臨床試験に準じるレベルの前臨床試験のツールとなると期待されます。ただし、現実には、霊長類の疾患モデルを欧米にライセンス契約(輸出)することは難しい現実があります。欧米で霊長類を実験対象とすることが難しいからです。ほとんどの航空会社は霊長類の空輸を行ってさえくれません。国内(或いはアジア内)に規模の大きな飼育施設を作製し、受託薬理行動試験を行うことが現実的な戦略になると考えています。このような施設は、アルツハイマー病以外の疾患(とくに他の精神神経疾患)に対する研究開発にも応用することができます。極めて汎用性の高い構想です。精神疾患は、神経変性疾患と異なり、明確な神経病理が見られません(これから発見される可能性はあります)から、霊長類のモデルはより有効だと思われます。「統合失調症のマウス」といわれても想像できない方が多いはずです。

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Amyloidosis in model mouse

モデルマウスにおけるアミロイド蓄積